先日の用語説明。

算術師です。



先日の記事を補足しておきます。浅学非才の身ですので、不足な点はご指摘ください。

特に数学系詳しい方はご教授をお願いします。

読み物になるように、ちょっと歴史的なお話も多いですが、最後までお付き合いいただければ幸いです。








まず、数学的な予測不能性について。



数学的に予測不能性が最初に予見されたのはポアンカレという数学者が3体問題に挑んだ結果、3体問題を初めとする多体問題は数学的に簡単に記述できる解が存在しない事を明らかにしました。

彼は多体問題がカオス的な(初期値に依存して結果が大幅に変わる・長期的な予測が困難であるなどの性質を持ちます)性質を持っていると考えました。



まぁ、結局実証は非常に難しかったのでコンピュータの誕生を待つことになります。



1960年代にローレンツと言う気象学者が方程式で気性の変動をモデル化しようとしました。コンピュータを用いたシュミレーション計算できるように方程式を提案し、それを可能にするプログラムを製作しました。

あるとき普段6桁の精度で計算していたデータを3桁の精度で計算してみました。すると、1週間後の予想天気図は全く異なる物になってしまいました。ここから更に研究の結果、天気は初期値に鋭敏で(初めの値が少しでも違うと結果が大幅に違う)、予測不可能性を持っていることがわかりました。



天気予報は外れやすい・当てにならないといいますが、当てにならないのは必ずしも予報がいい加減だからではなく、天気を予想するにはこの予測の難しい方程式系を解かなくてはならないという問題があるからなのです。



此処から最近話題のカオスとかフラクタルとかそう言ったものが出てくるのですが、探し回った結果丁度良い資料がありましたので掲載させていただきます。ナレッジ・サイエンス
さんのこの記事
あたりがこの日記よりより詳しく、教育的だと思います。



正直、前半書き終わり際に見つけてしまって…この記事見といてくださいね、と書けばそれでOKだったんじゃないかなぁ…と後悔してます。フラフラと見て回った結果見つけたサイトなのですが、かなり良く出来ていると思います。








さて、話は変わりまして複雑系について。 これについても同じくこの記事
やらこのページ
この記事
辺りをご覧下さい。



…というと実も蓋も無いので、簡単に私なりに纏めます。



世の中と言うのは複雑な物です。多数の要素が存在し、それが相互に作用してごちゃごちゃになってしまっています。



旧来の科学(還元論)ではそれを個々の要素に分解し、個々の要素の働きを調べて完璧に纏めれば複雑化しても理解できるようになる、というスタンスを取ってきました。要するに部分部分の和が全体になる、とそう言う考えかたな訳です。

しかし、そのような手法を受け付けないものは世の中沢山あります。

例えば人体などが良い例だと思います。



細胞の一つ一つの振る舞いを詳しく調べても、全体としての人体の機能は見えてきません(勿論、細胞の振る舞いについての研究が無意味だと言っているのではありません)。寧ろ細胞と細胞の関係や、物質のやり取りが人体を構成していると言えると思います。正直、細胞単位に分解しては人体・人間としての振る舞いを研究することは非常に困難です。



其処で、人体を一つのシステムと見做し(つまり人体を一つの複雑系と見る)、そのシステムの各要素(この場合細胞)がどのようなやり取りをしているかについて研究するべきではないか? という考え方が複雑系に基づいた考え方です。 まぁ、分析すること=科学である→科学者は分析的なアプローチしか出来ない とお思いの人
もいらっしゃいますが近年の科学はそうでも無い、ということを理解していただければ幸いかな、と思います。



ではでは、今回はこの辺にて。次辺り何か議題提供でも出来れば良いかなと思います。








今回お世話になったページ・参考にしたページ



ゑれきてる

http://elekitel.jp/elekitel/



ゑれきてる付属用語集 http://elekitel.jp/elekitel/sci_talk/cont98/physics/keyword.html



複雑系とセルオートマトン

http://www001.upp.so-net.ne.jp/suzudo/



ナレッジ・サイエンス

http://www.kousakusha.com/ks/index.html