狂気が欲しい

戯言。どちらかと言えば口語詩。

タイトルで嫌な予感がした聡明な貴方は触れるべからず。変なもの移りますから。

触れて後悔した方はご愁傷様。それではイタイ詩のはじまりはじまり。


キャンバスを真っ赤に埋め尽くす

画家のような狂気が欲しい

その赤に狂気を見る

誰かのような狂気が欲しい

躊躇いなく行き交う雑踏の

飛び交う声のような狂気が欲しい

日々を正気に生きる人々の

掃き捨てる程に有り触れた狂気が欲しい


足は進まず墜ち行かず

目は色彩を映さず

意識は意味を解体し

思考は彼我をさ迷う

嗚呼、せめて一時逃れ得る

色鮮やかな狂気が欲しい